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税務Q&A

■税務Q&A
◎交通事故の賠償金や交通違反の反則金の扱い(2005年8月31日)
開業医ですが、車で往診中に前の車に追突したため相手に支払った賠償金は必要経費になりますか。また、事務員が業務上起した交通事故の賠償金や、犯した交通違反の反則金を私が支払った場合の従業員が受ける経済的利益の取り扱いはどうなりますか。

◆ ◇ ◆ ポイント ◆ ◇ ◆
  1. 業務に関連して支払った損害賠償金(慰謝料、示談金、見舞金等を含む)は、故意又は重大な過失がなければ、税務上必要経費に算入できます。
  2. 事業主が負担する従業員の行為に基因する損害賠償金は、その基因となった行為が業務上のもので、かつ行為者の故意又は重過失に基づかないものである場合には、その従業員が受ける経済的利益はないものとされ、それ以外の場合は従業員に対する給与等になり、いずれも必要経費になります。
  3. 税法上、罰金、科料、過料については事業の必要経費に算入されません。事業主が負担した従業員に対する交通反則金はその従業員に対する給与等として必要経費になります。


1.往診中の交通事故に関して支払った損害賠償金
支払った損害賠償金が必要経費となるかどうかは、業務関連性と故意又は重大な過失があったかどうかにより判定します。
家事関連費となるような業務に関連のないものは必要経費になりませんが、事業に関連して支払った損害賠償金でも、その支払いの基因となった行為について、故意又は重大な過失によって他人の権利を侵害したことにより支払うものは税法上必要経費に算入できません。この場合、重大な過失とは、加害者の職業、地位、事故当時の周囲の状況、侵害した権利の内容、取締法規の有無などの具体的な事情を考慮して、その者が払うべきであった注意義務の程度を判定し、不注意の程度が著しいかどうかによって判定するよう取り扱われております。

ところで、交通事故を起したことについて重大な過失があったかどうかを判定する場合にも、諸般の事情を総合勘案することになるわけですが、無免許運転、スピード違反運転、酔っ払い運転、信号無視などによる事故は、特別の事情がない限り重大な過失があったものとされます。このように重大な過失とは、ほとんど故意に近い著しい注意義務の欠如の状態をいうものと解されますから、追突した側の、前方不注意の過失ないし車間距離保持の義務を怠った過失は、重大な過失があったとは考えられませんので、支払った賠償金は、事業上の必要経費となると考えられます(保険金等により補てんされる金額は除かれます)。

2.事業主が負担する従業員の行為に基因する損害賠償金、交通反則金
  1. 事業主が負担する従業員の行為に基因する損害賠償金
    事業主が従業員の行為に基因する損害賠償金(慰謝料、示談金、見舞金等名目のいかんを問わず、他人に与えた損害を補てんするために支出するすべてのもの及び弁護士の報酬等の費用を含む)を負担することによりその従業員が受ける経済的利益については、次によります。
    1. その損害賠償金等の基因となった行為が事業主の業務の遂行に関連するものであり、かつ、行為者の故意又は重過失に基づかないものである場合には、その従業員が受ける経済的利益はないものとされます。
    2. その損害賠償金等の基因となった行為が前項(i)以外のものである場合には、その負担する金額は、その従業員に対する給与等になります。ただし、その負担した金額のうちに、その行為者の支払能力等からみてその人に負担させることができないためやむを得ず事業主が負担したと認められる部分の金額がある場合には、その部分の金額については、前項(i)の場合に準ずる扱いとされます。
      なお、従業員の業務内の重過失又は故意に基づく行為や業務外の行為によって他人に損害を与えたときに、その従業員が負担すべきものとして損金の額に算入せず、その従業員に対する求償権として資産に計上する場合もあります。

  2. 事業主が負担した従業員の交通反則金
    罰金、科料、過料については、所得税法上、事業の必要経費に算入されないことになっています。これは、罰金等を必要経費として認めると、その相当分の所得税負担が軽減されることになって、罰金等を課す制裁的な効果が失われることになるからです。ですから、事業主が従業員に対して課された罰金等を負担した場合、その罰金等が事業に関連してされた行為等に対して課されたものであっても必要経費とはなりません。
    なお、従業員が、事業とは関係なく、例えば休日にレジャーの途中で事故を起こして罰金等を支払わなければならなくなり、これを事業主がその従業員に代わって支払ったような場合には、その支払額は、従業員に対する給与として取り扱われることとされており、その意味で事業の必要経費となります。
    このように、交通反則金はそのままストレートな形で必要経費に算入されることはありませんが、従業員に給与を支給したものとして、事業の必要経費となります。

(株式会社ムトウ コンサルティング事業部 税理士 宮下)
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