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税務Q&A

■税務Q&A
◎小規模な医療法人の出資の評価(2005年7月29日)
小規模な医療法人の出資の評価はどのようにするのか概略を教えてください。

◆ ◇ ◆ ポイント ◆ ◇ ◆
  1. 社団医療法人の出資持分の評価は、原則として、取引相場のない株式の原則的評価方法により計算しますが、その法人の規模に応じて評価方法が定められ、小会社に該当する場合は、純資産価額方式により評価することになります(ただし、類似業種比準価額方式との併用方式による価額の方が低い場合には、その価額によることもできます)。


1.医療法人の出資の純資産価額方式による評価
純資産価額方式による評価とは、課税時期(相続等により医療法人の出資を取得した場合には、相続開始時期)において医療法人が有する各資産を財産評価基本通達に定める方法により評価した金額から、負債の金額合計額を控除し、さらに、評価差額に対する法人税等相当額を控除し、その残額を出資口数で除して計算した「純資産価額」により評価する方法です。
医療法人の出資は、医療法人の次の規模に応じた評価方法により評価します(小売・サービス業)。
総資産価額
(帳簿価額)
及び従業員数
取引金額
6千万円未満 6千万円以上
〜6億円未満
6億円以上
〜12億円未満
12億円以上
〜20億円未満
20億円以上
4千万円未満
又は5人以下
小会社 中会社「小」
(L=0.60)
中会社「中」
(L=0.75)
中会社「大」
(L=0.90)
大会社
4千万円以上
5人以下を除く
中会社「小」
(L=0.60)
中会社「小」
(L=0.60)
中会社「中」
(L=0.75)
中会社「大」
(L=0.90)
大会社
4億円以上
30人以下を除く
中会社「中」
(L=0.75)
中会社「中」
(L=0.75)
中会社「中」
(L=0.75)
中会社「大」
(L=0.90)
大会社
7億円以上
50人以下を除く
中会社「大」
(L=0.90)
中会社「大」
(L=0.90)
中会社「大」
(L=0.90)
中会社「大」
(L=0.90)
大会社
10億円以上
50人以下を除く
大会社 大会社 大会社 大会社 大会社
【評価方法】
・大会社に相当する医療法人
類似業種比準価額方式(純資産価額方式との選択可)
・中会社に相当する医療法人
類似業種比準価額方式と純資産価額方式との併用方式
(類似業種比準価額について純資産価額を選択可)
・小会社に相当する医療法人
純資産価額方式(中会社と同じ併用方式も選択可。その場合「L=0.5」。)
  1. 純資産価額方式による評価

    総資産価額
    (相続税評価額)
    負債の合計
    (相続税評価額)
    評価差額に対する
    法人税等相当額

    課税時期における出資口数
    「評価差額(清算所得)に対する法人税等相当額」の計算は、以下の通り。
    課税時期における
    相続税評価額ベースの純資産価額
    課税時期における
    簿価ベースの純資産価額
    × 42%

  2. 類似業種比準価額方式による評価

    A× ( c÷C × 3 + d÷D ) ÷ 4 × 斟酌率

     A:類似業種の株価(「その他の産業」を適用)
     C:類似業種の利益金額
     D:類似業種の純資産価額
     c:医療法人の利益金額
     d:医療法人の純資産価額
    斟酌率
    大会社:0.7、中会社:0.6、小会社:0.5

2.純資産価額方式による出資持分の評価事例
【設例】
◎評価する社団医療法人の状況
  1. 出資金:5,000千円(出資50円当りの出資口数:100,000口)
  2. 直前期の年間収入:40,000千円
  3. 直前期末の総資産価額:32,000千円
  4. 従業員数:3人
  5. 直前期の年間利益:4,000千円
  6. 直前期の利益積立金額:7,000千円
  7. 課税期間における純資産価額
      総資産価額 負債金額 純資産価額
    相続税評価額 40,000千円 15,000千円 25,000千円
    帳簿価額 32,000千円 15,000千円 17,000千円

【計算】
  1. 医療法人の規模の判定(「小売・サービス業」に該当)
     ・取引金額:40,000千円 < 60,000千円
     ・総資産価額:32,000千円 < 40,000千円
     ・従業員:3人 ≦ 5人
    よって「小会社」に該当しますので、「純資産価額」又は「類似業種比準価額×0.5+純資産価額×(1−0.50)」のうちいずれか低い金額になります。

  2. 純資産価額方式の計算
    40,000千円 15,000千円 3,360千円  =  216円

    100,000口
    評価差額に対する法人税等相当額
      {(40,000千円−15,000千円)−(32,000千円−15,000千円)}×42%=3,360千円
(注)ここでは、類似業種比準方式との併用については触れていませんが、いずれか低い金額となります。

(株式会社ムトウ コンサルティング事業部 税理士 宮下)
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