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税務Q&A

■税務Q&A
◎認定医療法人とは(2005年7月29日)
認定医療法人という言葉を耳にしましたが、どんな医療法人なのですか。

◆ ◇ ◆ ポイント ◆ ◇ ◆
  1. 認定医療法人は、厚生労働省が平成18年度の医療制度改革で創設を目指している公益性の高い民間の医療法人で、特定・特別医療法人を一本化しょうとするものです。
  2. 厚生労働省は、「医療法人制度改革の基本的な方向性」についての今後の議論のたたき台で、認定医療法人は、非営利性の徹底、公益性の確立、効率性の向上、透明性の確保、安定した医業経営の実現、を満たした公益性の高い医療法人であることとし、認定医療法人が担う公益性が高い医療について例示しています。


1.医療法人制度改革の動向と方向性
認定医療法人(仮称)は、厚生労働省が平成18 年度の医療制度改革で創設を目指しているもので、平成16年12月の「医業経営の非営利性に関する検討会」において、非営利性、公益性、効率性、透明性、安定性をキーワードに医療法人の制度改革を進めることを明らかにしました。
その具体的方針として、「認定医療法人」の創設と医療法人制度全般の見直しを提案していますが、これによって、特定・特別医療法人を一本化する「認定医療法人」の新設に向けた議論が本格スタートしました。
厚生労働省は、「認定医療法人」に担ってもらう公益性の高い医療について例示していますが、採算性が悪い一方、住民にとって必要不可欠な分野が中心で、いずれもこれまで独立行政法人国立病院機構や自治体病院などの公的病院が担ってきた政策医療の分野とも重なるもの。総務省の自治体病院の削減方針もあり、厚労省には経営が立ち行かなくなった自治体病院の廃止に伴う受け皿として経営手腕にも優れた民間の認定医療法人を想定している面もあるようです。 認定医療法人は、公益性を重視し、幅広い事業を可能とし、社員の出資持分はなく、解散時の残余財産も他の認定医療法人や国、地方公共団体に帰属させることになります。医療計画では公的病院と並ぶ位置づけになり、公益性の高い医療を一定範囲担ってもらう見返りに公募債の発行や税制上の優遇措置が受けられることになる模様です。
厚生労働省の、医療法人制度を「公益性の高い認定医療法人」と「非営利性を徹底させた出資額限度法人」の2類型とする案には、(社)日本医療法人協会から医療法人の実態に即した「持分のある社団医療法人」を残した3類型とする意見が出されたのをはじめ病院団体等から反論もあり、落しどころがまったく読めない医療法人制度改革の議論が、現在大詰めを迎えているわけです。
「医業経営の非営利性等に関する検討会」は、平成17年8月上旬を目途に報告書をまとめる予定で、これを受け厚労省は18年の通常国会に提出する医療制度改革関連法案に認定医療法人の創設を盛り込む方針とみられます。

2.公益性の高い新たな医療法人制度(認定医療法人制度(仮称))の将来の姿(案)から抜粋
医療法人制度改革の基本的な方向性についての厚生労働省案では、将来の医療法人制度を(1)非営利性を徹底した新しい医療法人制度と(2)公益性の高い新たな医療法人制度(認定医療法人制度(仮称))の2つに整理し、(2)について特定医療法人・特別医療法人制度に関する抜本的な改革を通じて次の点を満たした、公益性の高い新たな医療法人制度(認定医療法人)を創設するものとしています。
  1. 非営利性の徹底
    • 解散する場合の残余財産の帰属先については、他の認定医療法人、国又は地方公共団体でなければならないことを医療法上規定する。
    • 認定医療法人が定める役員に対する報酬等の支給規定について、例えば評議員会などから求められれば、情報開示することが望ましい。

  2. 公益性の確立
    • 公益性の高い医療を、「通常提供される医療と比較して、継続的な医療の提供に困難を伴うものであるにもかかわらず、住民にとってなくてはならない医療」と定義し、その具体的な内容を医療法関係法令上明確に定める。あわせて、都道府県が作成する医療計画において、公益性の高い医療とそれを実施する認定医療法人を記載する。
    • 認定医療法人が担う医療は、既存の自治体病院をはじめとする公的医療機関が担う公益性の高い医療と違いはないことから、認定医療機関が公的医療機関の経営を積極的に担うことができるよう、その取扱いを明確にする。

  3. 効率性の向上
    • 住民が望む公益性の高い医療を担う認定医療法人に関しては、医師又は歯科医師以外の者であっても理事長として就任できるよう医療法を見直す。
    • 認定医療法人の役員又は社員については、同一の親族が占める割合を一定程度に制限する。
    • 認定医療法人については、地域住民の意見や外部の専門家の知識や経験を経営に反映させる方策として、評議員会を設置できるものとする。
    • 評議員会を構成する評議員については、同一の親族が占める割合を一定程度に制限する。
    • 評議員会は、理事の定数の2倍を超える数の評議員をもって組織し、認定医療法人の業務に関する重要事項は、定款をもって、評議員会の議決を要するものとすることができる。

  4. 透明性の確保
    • 提供する医療サービスに係る事業計画書や事業報告書について、利害関係人から請求があった場合には、閲覧に供するものとする。
    • 財務書類等について、利害関係人から請求があった場合には、閲覧に供するものとする。
    • 財務状況が公開されること、公認会計士等の財務監査を受けているなど透明性の高い経営を行っていることから、自己資本比率の規制を行わない。

  5. 安定した医業経営の実現
    • 利益を医療サービスの充実に充てることを目的とした収益事業又は児童福祉事業、障害者福祉事業若しくは介護福祉事業を行えるようにすることによって、地域において医療から福祉までまたがる多様な事業展開が一貫してできることとし、もって住民サービスの向上につなげる。
    • 地域で安定的な医業経営を実現するために公認会計士等の財務監査を受けなければいけない。
    • 証券取引法に基づく有価証券としての位置づけである債券(公募債)を発行できるものとする。
    • 住民が求める医療を担う認定医療法人については税制上の優遇措置を検討する。
    • 住民や地域企業から寄附を受けやすいように税制上措置することにより、住民参加の機会を高めるとともに、住民や地域企業が認定医療法人を資金面で支えることができるようにする。
    • 地域で医療機能に応じた幅広い連携が円滑に推進できるよう、都道府県医療審議会の議論を経て、認定医療応人が他の医療法人に対し運営面・資金面で支援できるものとする。
    • 認定医療法人が保有する現金等については、預け入れ先に関する規制(国公債や確実な有価証券であることなど)を緩和するものとする。

3.厚生労働省が例示した認定医療法人が担う公益性の高い医療
  • 休日診療や夜間診療などの救急医療
  • 精神救急医療
  • へき地医療・離島医療
  • すべての感染症に係る患者を診療する医療
  • 患者を早期に社会復帰に結びつける医療連携に関する活動
  • 医療安全及び疾病予防に関する先進的な医療で、患者や地域の医療機関に対して無償で相談助言や普及啓発を行う活動
  • 治療との有機的な連携による治験(活動)
  • 周産期医療を含む小児救急医療
  • 災害など緊急時に対応する医療(災害医療)
  • 重症難病患者に対する継続的な医療
  • 筋萎縮性側索硬化症(ALS)など継続的な在宅療養を必要とする患者に対する医療や当該患者の療養環境の向上を図る活動
  • 質の高い医療従事者の確保・養成に関する活動
  • 高度な医療技術を利用した研究開発であって、患者や地域の医療機関に対し当該研究結果情報を無償で提供する活動

(株式会社ムトウ コンサルティング事業部 税理士 宮下)
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