◆ ◇ ◆ ポイント ◆ ◇ ◆
- 本則課税の場合、仕入税額控除の適用要件として、課税仕入れの事実を記録した帳簿及びその事実を証する請求書等の両方の保存が義務づけられ、帳簿には次の4つの記載すべき事項が定められています。
1.課税仕入れの相手方の氏名又は名称
2.課税仕入れを行った年月日
3.課税仕入れに係る資産又は役務の内容
4.課税仕入れに係る支払対価の額(消費税額及び地方消費税額を含む)
- 具体的な帳簿の記載方法としては、請求書等に記載されている個々の商品等について、帳簿にそのまま詳細に記載することまで求められているわけではなく、事業者の事務負担を考慮し、下記のような取り扱いが示されています。
1.商品の総称による帳簿へのまとめ記載
2.一取引で複数の種類の商品を購入した場合
3.一定期間分の取引のまとめ記載
4.帳簿代用書類の取扱い
5.伝票会計の場合の帳簿の保存
6.略称、屋号による氏名又は名称の帳簿への記載
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◎課税仕入れ等の税額の控除に係る具体的な帳簿の記載方法
課税仕入れ等に係る消費税額の控除の要件である「帳簿及び請求書等の保存」における具体的な帳簿の記載方法等についての取扱いが次のように示されています。
- 商品の総称による帳簿へのまとめ記載
請求書等の記載内容を帳簿へ記載するに当っては、商品の一般的な総称でまとめて記載するなど、申告時に請求書等を個々に確認することなく帳簿に基づいて仕入控除税額を計算できる程度に記載してあれば差し支えありません。ただし、課税商品と非課税商品がある場合には区分して記載する必要があります(例えば、ビールと贈答用ビール券)。
- 一取引で複数の種類の商品を経費で購入した場合
一回の取引で複数の一般的な総称の商品を2種類以上購入した場合でも、それが文房具と飲料を購入したときのように経費に属する課税仕入れであるときは、課税仕入れに係る資産の内容として、「文房具ほか」、「文房具等」のように記載することで差し支えありません。ただし、課税商品と非課税商品がある場合には区分して記載する必要があります。
- 一定期間分の取引のまとめ記載
同一の商品(一般的な総称による区分が同一となるもの)を一定期間内に複数回購入しているような場合でも、その一定期間分の請求書等に一回毎の取引の明細が記載又は添付されているときには、課税商品と非課税商品がある場合を除いて、帳簿の記載に当たり、課税仕入れの年月日を、例えば「○月分」というようにその一定期間の記載とし、取引金額もその請求書等の合計額による記載で差し支えありません。
- 帳簿代用書類の取扱い
帳簿代用書類をもって、帳簿の記載に代えることはできません。なぜなら、消費税の仕入税額控除のための帳簿については、記載すべき事項の全部又は一部が欠落していることになるからです。
ただし、帳簿代用書類でも課税仕入れの相手方が作成したものは通常「請求書等」に該当するものと考えらますので、申告時にその書類を個々に確認することなく、控除する税額を計算できる程度に課税仕入れに関する法定事項が帳簿に記載されていれば、この書類と帳簿を保存することで税額控除の要件を満たすことになります。
- 伝票会計の場合の帳簿の保存
伝票会計を採っている事業者の伝票が、帳簿の記載事項を記載したものであれば、課税事業者が自らその事実を記録したものですから、その伝票を勘定科目別、日付別に整理し、それに日計表、月計表等を付加した伝票綴りは「帳簿」に該当するものといえます。したがって、その伝票綴りを保存する場合は、「帳簿の保存」があるものとして取り扱われます。
- 略称、屋号による氏名又は名称の帳簿への記載
課税仕入れの相手方については、その氏名又は名称を帳簿に記載することとされていますから、フルネームで記載するのが原則です。
ただし、課税仕入れの相手方について正式な氏名又は名称及びそれらの略称が記載されている取引先名簿が備え付けられていること等により課税仕入れの相手方が特定できる場合には、例えば「鈴木商店」、「ムトウ」のような記載であっても差し支えありません。
また、屋号等による記載でも、電話番号が明らかであること等により課税仕入れの相手方が特定できる場合には、正式な氏名又は名称の記載でなくても差し支えありません。
(株式会社ムトウ コンサルティング事業部 税理士 宮下)
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