◆ ◇ ◆ ポイント ◆ ◇ ◆
- 開業届は開業後1か月以内に届け出なければなりません。給与支払事務所等の開設届出書もクリニック開設後1か月以内です。源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書は、早目に申請するとよいでしょう。
- 青色申告承認申請書、青色事業専従者給与に関する届出書を提出するときは、開業の日や専従者がいることとなった日から2か月以内等が期限となっています。
- 消費税の課税事業者選択届出書を提出するときは開業年の末日まで、棚卸資産の評価方法及び減価償却資産の償却方法の届出書は確定申告期限までに提出します。
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1.開業にあたっての税務関係手続き
- 開業届(個人事業の開業等届出書、個人事業税の事業開始等の届出書)
クリニックを開業したときは、開業の日から1か月以内に、納税地(原則として住所地)を所轄する税務署長に提出します。なお、住所地とクリニックの所在地が異なるときは、住所地とクリニックの所在地の双方の所轄税務署長に開業届を提出します。
開業届には、(1)開業者の氏名及び住所、(2)開業した旨及び開業年月日、(3)クリニックの所在地、(4)事業の概要、(5)青色申告承認申請書の提出の有無、(6)給与等の支払状況と源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書の有無などを記載します。
また、開業届は、都道府県にも提出しなければなりませんが、北海道の場合の提出期限は、開業の日から10日以内となっています。
- 給与支払事務所等の開設届出書
看護師、薬剤師、歯科衛生士、事務員などの従業員(青色事業専従者を含む)を雇用したときに、クリニックの所在地の所轄税務署長に開業の日から1か月以内に提出します。
- 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
従業員の給与などに対する源泉徴収税額は、当月分を翌月10日までに納付することになっていますが、従業員が常時10人未満のときは、税務署長に納期の特例の承認を受けますと、1月から6月までに徴収した税額の納期限は7月10日に、7月から12月までに徴収した税額の納期限は1月10日(特例期限の届出をすれば1月20日)になり、それぞれ6か月分をまとめて納付することができます。
この特例は、その申請の翌々月の納付分から適用されます。
- 所得税の青色申告承認申請書
開業の日から青色申告をする場合は、1月16日以後に開業した場合は開業の日から2か月以内(1月15日以前に開業した場合は3月15日まで)に提出します。
- 青色事業専従者給与に関する届出書
開業の年分から青色事業専従者給与額を必要経費に算入しようとする場合は、1月16日以後に開業したり新たに専従者がいることとなった場合は、開業の日や専従者がいることとなった日から2か月以内(1月15日以前の場合は3月15日まで)に提出します。青色事業専従者が増えたり、専従者給与額を変更する場合は、遅滞なく「青色事業専従者給与に関する変更届出書」を提出することとされています。
- 消費税の課税事業者選択届出書
クリニックを開業した年には、クリニックの建築、医療機器の購入など多額の資産を取得することになりますので、この届出書を開業した年の末日までに税務署長に提出すると、取得した資産の価額に含まれている支払消費税の一部の還付を受けることができる場合もあります。
通常、社会保険診療報酬を除く自由診療収入等が1,000万円を超えない限り、消費税の申告をする必要はありませんが、この届出書を提出すると2年間は免税事業者に戻ることができません。
- 所得税のたな卸資産の評価方法及び減価償却資産の償却方法の届出書
- 棚卸資産の評価方法の選択
医薬品や診療材料などの棚卸資産の評価方法には、先入先出法、総平均法、最終仕入原価法、低価法などいくつかの評価方法があります。どの評価方法を選択するかは、税務署長への届出が必要で、届出がない場合は最終仕入原価法で評価します(医院や歯科医院では、最終仕入原価法が最も多く使われています)。
この提出期限は、開業年分の所得税の確定申告期限までです。
- 減価償却資産の償却方法の選択
減価償却資産の償却方法には、定額法と定率法があります。定率法を選択するには、開業年分の所得税の確定申告期限までに税務署長への届出が必要です。届出のないときは定額法で計算します。
この提出期限は、開業年分の所得税の確定申告期限までです。
2.届出書の種類、名称と提出期限一覧
| 届出書の種類、名称 |
提出期限 |
| 個人事業の開廃業等届出書 |
開業の日から1か月以内 |
| 個人事業税の事業開始等の届出書 |
北海道の場合は、開業の日から10日以内 |
| 給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書 |
開業の日から1か月以内 |
| 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 |
特例適用月の前月末日まで |
| 所得税の青色申告承認申請書 |
開業の年から青色申告、青色専従者をする場合 |
| 青色事業専従者給与に関する(変更)届出書 |
1月15日までの開業:その年の3月15日まで 1月16日以後の開業:開業の日から2か月以内 |
| 消費税課税事業者選択届出書 |
新規開業者:開業した年の末日まで (開業した年から課税事業者となる) |
所得税のたな卸資産の評価方法の届出書 所得税の減価償却資産の償却方法の届出書 |
開業年の翌年の3月15日まで |
(株式会社ムトウ コンサルティング事業部 税理士 宮下)
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