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税務Q&A

■税務Q&A
◎人材投資促進税制の概要(2005年4月28日)
平成17年度の税制改正で人材投資促進税制ができたそうですが、どのような制度ですか。

◆ ◇ ◆ ポイント ◆ ◇ ◆
  1. 平成17年度の税制改正で創設された「教育訓練費の額が増加した場合の特別税額控除」制度は、教育訓練費を直前2期の平均教育訓練費より増加させた企業(法人及び個人)について、その増加額の25%相当額の税額控除ができるというものです。
  2. 中小企業者等についてはさらに優遇されており、教育訓練費を増加させた場合には、教育訓練費の総額の最大20%までが税額控除可能となります。
  3. この制度は、青色申告書を提出する法人の平成17年4月1日から平成20年3月31日までの間に開始する事業年度の所得の計算上損金の額、又は青色申告書を提出する個人の平成18年から20年までの各年の年分の事業所得の計算上必要経費に算入される教育訓練費に関して適用されます。


1.「教育訓練費の額が増加した場合の法人税額又は所得税額の特別控除」制度の概要
  1. 基本制度
    青色申告書を提出する法人又は個人(個人事業主)の適用年度である当期の所得の金額の計算上、損金の額又は必要経費に算入される教育訓練費の額が、その直前2年以内の教育訓練費の平均額(比較教育訓練費といいます。)を超える場合には、3年間の時限措置として、その超える部分の金額の100分の25相当額の特別税額控除が認められます。
    ただし、当期の法人税額又は所得税額の100分の10相当額が限度とされています。
    増加額( 当期の教育訓練費 − 直前2期の平均教育訓練費 )× 25%
    【上限:税額の10%】

  2. 中小企業者等の特例
    青色申告書を提出する中小企業者等については、上記(1)の制度の適用に代えて、当期の所得の金額の計算上、損金の額又は必要経費に算入される教育訓練費の額に対し次の特別控除割合による特別税額控除を選択適用する特例が認められます。
    ただし、当期の法人税額又は所得税額の100分の10相当額が限度とされています。
    • 教育訓練費増加割合が100分の40以上 → 100分の20
    • 教育訓練費増加割合が100分の40未満 → 教育訓練費増加割合に0.5を乗じた割合
    (教育訓練費増加割合:当期の所得の金額の計算上損金の額又は必要経費に算入される教育訓練費の額からその直前2年以内の教育訓練費の平均額を控除した金額のその平均額に対する割合)
    総額( 当期の教育訓練費 )× 20%(最大)【上限:税額の10%】

  3. 対象者の範囲その他の留意点
    • 対象者は使用人(個人事業主の事業に係る使用人)で、正社員、契約社員、パート、派遣社員などが該当しますが、内定者の入社前研修は対象外とされています。
      一方、役員や個人事業主、これらの親族等に該当する者は対象外とされています。
    • この制度の適用を受けるためには、確定申告書等に控除を受ける金額を記載し、かつ、その金額の計算に関する明細書を添付することが必要です。

2.税額控除の対象となる教育訓練費用
具体的には次のような教育訓練費用が対象になります。
  1. 外部講師等謝金
    社外講師、指導員に支払う講師料・指導員料(外部講師等への交通費、旅費、宿泊費、食費等の費用も含まれる)
  2. 外部施設等使用料
    研修を行うために使用する外部施設・設備等の借上料、利用料
    【具体的内容】
    施設(研修施設、会議室、実習室等)、設備(教育訓練用シュミレーター設備等)、器具・備品(OHP、プロジェクター、ホワイトボード、パソコン等)、eラーニング教育訓練コンテンツ使用料等
  3. 外部研修参加費
    社員を外部教育機関等が行う研修講座、講習会、セミナー、技術指導等に参加させる授業料、受講料、参加料等の費用 (費用には、通信教育に係る費用、資格や免許取得のための受験料、大学院コース等に留学させる場合の授業料等の費用も含まれる)
  4. 研修委託費
    講師、教材等を含め研修の一部又は全体を外部の教育機関(民間の教育会社、大学、専修学校等)へ委託する場合の費用
  5. 教科書その他の教材費
    教育訓練に直接使用する教材の購入又は製作費用(使用人に書籍を買い与えるだけの教育行為が伴っていない場合の図書費等は対象とならない)
  • 使用人に支払う教育訓練中の人件費や研修等の開催場所までの交通費、旅費あるいは宿泊費、食費等については対象外となっています。

3.税額控除計算のケース研究
人材投資促進税制の適用を受けようとする企業の控除税額がいくらになるか、中小企業と大企業のそれぞれのケースについて計算してみましょう。
【中小企業のケース】
当期の教育訓練費が1,200万円で、前期が1,000万円、前々期が600万円、当期法人税額2,800万円である場合

  • 比較教育訓練費の額
    (1,000万円+600万円)÷2=800万円
  • 教育訓練費の増加割合
    (当期の教育訓練費の額−比較教育訓練費の額)÷比較教育訓練費の額
    (1,200万円−800万円)÷800万円=50%
  • 税額控除額
    当期の教育訓練費の総額×税額控除率
    1,200万円×20%=240万円
    ※ 増加割合が40%以上であるため税額控除率は20%
  • 税額控除限度額
    法人税額×10%
    2,800万円×10%=280万円
  • 法人住民税の法人割の減額
    税額控除額240万円×17.3%=41.52万円

よって、税額控除240万円(限度額280万円を超えていないので全額の税額控除が可能)と地法税(法人住民税の法人割)の減額41.52万円で合計281.52万円の減税となります。

【大企業のケース】
当期の教育訓練費が6,000万円で、前期が4,000万円、前々期が3,000万円、当期法人税額12,000万円である場合

  • 比較教育訓練費の額
    (4,000万円+3,000万円)÷2=3,500万円
  • 教育訓練費の増加割合
    当期の教育訓練費の額−比較教育訓練費の額
    6,000万円−3,500万円=2,500万円
  • 税額控除額
    増加教育訓練費の額×税額控除率
    2,500万円×25%=625万円
  • 税額控除限度額
    法人税額×10%
    12,000万円×10%=1,200万円

税額控除額625万円は、税額控除限度額1,200万円を超えていないので、全額の税額控除が可能となります。

(株式会社ムトウ コンサルティング事業部 税理士 宮下)
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