◆ ◇ ◆ ポイント ◆ ◇ ◆
- 非業務用資産を事業用に転用した場合は、取得価額から非業務用期間の定額法による減価償却費相当額を控除した金額を「未償却残高」として事業用資産の減価償却を行うことになります(中古資産を取得したとして計算するわけではありません)。
- 償却可能限度額の計算については、その取得価額と未償却残高との差額は、事業所得の計算上必要経費に算入された金額とみなされます。
- 転用後の減価償却の耐用年数は、非業務用の期間の長短にかかわらず、その減価償却資産の法定耐用年数によって計算します。
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1.家事用資産を事業用に転用して減価償却を行う場合の税務上の取扱い
非業務用の減価資産を事業用の減価償却資産に転用した場合には、その事業に使用した後のその資産の償却費の額は、その転用時にその資産の譲渡があったものとみなし、その資産の譲渡所得の計算上取得費とされる金額をその転用時におけるその資産の未償却残高として計算します。
- ・非業務用期間の償却費
- ( 取得価額 − 残存価額 )× 定額法の償却率 × 経過年数
※ 残存価額:取得費×10%、定額法の償却率:耐用年数の1.5倍の年数のもの
- ・転用時の「未償却残高」
- 取得価額 − 非業務用期間の償却費
- 【注意】
- ここで、耐用年数に1.5を乗じて計算した年数に1年未満の端数がある場合は切り捨て、経過年数(その資産の取得した日から事業に使用した日までの期間)に1年未満の端数があるときは、6月以上は1年とし6月未満の端数は切り捨てます。
なお、償却可能限度額の計算に当っては、取得価額と未償却残高との差額はその資産の償却費としてその人の各年分の事業所得の金額計算上必要経費に算入された金額とみなされます。
2.減価償却費の計算例
300万円の新車を購入して1年間通勤に使用した後、事業用に転用した場合の、「非業務用期間の償却費」「事業開始時の未償却残高」「開業年度(9か月)の償却費」の計算
- 法定耐用年数・・・6年
- 償却率・・・定額法 6年:0.166 定額法 9年:0.111 定率法 6年:0.319
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- ・非業務用期間の償却費
- ( 300万円 − 300万円 × 10% )× 0.111 × 1年 = 299,700円
※( 取得価額 − 残存価額 )× 法定耐用年数の1.5倍(=9年)の償却率 × 経過年数
- ・事業開始時(転用時)の未償却残高
- 3,000,000円 − 299,700円 = 2,700,300円
- ・開業年度の減価償却費の計算
- 定額法による場合
( 300万円 − 300万円 × 10%)× 0.166 ×( 9 ÷ 12 )= 336,150円
※( 取得価額 − 残存価額 )× 定額法の償却率 × 経過年数
- 定率法による場合
2,700,300円 × 0.319 ×( 9 ÷ 12 )= 646,046円
※ 転用時の未償却残高 × 定率法の償却率 × 経過年数
定率法によって計算するためには、その旨の届出を開業の日の属する年分の所得税の確定申告期限までにしなければなりません。
(株式会社ムトウ コンサルティング事業部 税理士 宮下)
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