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税務Q&A

■税務Q&A
◎病院会計準則改正による貸借対照表の改訂内容(2005年2月28日)
平成16年8月の病院会計準則の改正で貸借対照表はどのように変わったのでしょうか。改正後の様式例も教えてください。

◆ ◇ ◆ ポイント ◆ ◇ ◆

貸借対照表は最も重要な財務諸表として位置付けられ、次のような見直し、変更がなされました。
  1. 診療材料、前渡金、前受金、役員従業員勘定及び他会計勘定の各科目、長期前受補助金が、それぞれその重要性から新たに独立掲記されました。他方、受取手形、前払金、繰延資産は表示科目から削除され、建物附属設備は建物に含められました。
  2. 有形固定資産の科目配列、減価償却累計額の表示、無形固定資産の表示科目、その他の資産の表示、貸倒引当金及び徴収不能引当金の表示がそれぞれ変更され、負債性引当金は整理され、また、資本の部は純資産の部とされました。


1.病院会計準則の改正による貸借対照表の変更点
  1. 新たに独立掲記することとなったもの
    ・診療材料
    従来、棚卸資産の科目表示の貯蔵品に含まれていたもの。
    ・前渡金、前受金
    独立掲記するほどの重要性がある場合があることを想定してのもの。
    ・役員従業員勘定の別掲
    改正準則では、役員従業員短期貸付金、役員従業員長期貸付金、役員従業員短期借入金、役員従業員長期借入金をその重要性から独立掲記することとされました。
    ・他会計勘定の別掲
    改正準則では、他会計短期貸付金、他会計長期貸付金、他会計短期借入金、他会計長期借入金について、独立掲記することとされました。これは、施設ごとに財務諸表を作成する会計準則であるため、施設間取引を各施設の財務諸表において表示する科目として新設しているためです。
    ・長期前受補助金の別掲
    改正準則で長期前受補助金を独立掲記することとされました。これは補助金の有無による経営状況への影響が損益計算書に的確に表現されるよう収益の繰延処理が妥当であると判断されたためです。
  2. 表示科目から削除されたもの
    ・受取手形、前払金
    独立掲記するほどの重要性があるとは通常考えられないため。
    ・建物附属設備の建物への包括表示
    建物附属設備を建物と区分して分類する方法は、税務上のものであり、会計上のものではないため。
    ・繰延資産
    企業会計で本来資産計上すべきではないが、任意に資産として計上することが一定の条件で認められている繰延資産を資産計上することは比較の観点から望ましくないため。
  3. その他の変更
    ・有形固定資産の科目配列の変更
    従来、土地を最初に表示していたが、改正準則では建物を配列の最初とし、土地は建設仮勘定の前に表示されました。これは、流動性配列法においては、償却資産を先に配列するのが一般的であるためです。
    ・減価償却累計額の表示
    従来、減価償却累計額は、各科目から控除していましたが、改正準則では有形固定資産から一括して控除することとされました。
    ・無形固定資産の表示科目の変更
    ソフトウエアの重要性が高まりつつあることから、無形固定資産にソフトウエアを表示科目に追加されました。他方、電話加入権は削除されました。
    ・その他の資産の表示
    従来、その他の投資としていたものを改正準則では有価証券、役員従業員長期貸付金、他会計長期貸付金及び長期前払費用を独立掲記するとともにその他の投資の名称をその他の固定資産としました。
    ・倒引当金及び徴収不能引当金の表示
    従来、医業未収金に対応して徴収不能引当金が、未収金及び受取手形に対応して貸倒引当金が控除科目として掲記されていましたが、改正準則では貸倒引当金は、流動資産及び固定資産の控除科目とし、徴収不能引当金の名称を廃止しました。
    ・負債製性引当金の表示
    従来、流動負債に修繕引当金・賞与引当金・その他の引当金、固定負債に退職給与引当金を掲記していたが、改正準則では流動負債に賞与引当金を、固定負債に退職給付引当金を掲記することとされています。
    ・資本の部を純資産の部に変更
    従来、資本の構成を資本金・資本剰余金・利益剰余金とし、資本剰余金に国庫等補助金と指定寄付金が掲げられていましたが、改正準則では純資産の部とし、純資産額を一括して表示することとしています。なお、損益計算書との関係を明らかにするため、純資産には当期純利益又は当期純損失の金額を記載するものとしています。

2.改正後の貸借対照表の様式例
貸借対照表
平成×年×月×日
科目金額
(資産の部)
1.流動資産
現金及び預金
医業未収金
未収金
有価証券
医薬品
診療材料
・・・

 
xxx
xxx
xxx
xxx
xxx
xxx
・・・
 
流動資産合計   xxx
2.固定資産
i. 有形固定資産
建物
構築物
医療用器械備品
その他の器械備品
車輌及び船舶
・・・

 
xxx
xxx
xxx
xxx
xxx
・・・
 
固定資産合計   xxx






科目金額
(負債の部)
1.流動負債
買掛金
支払手形
未払金
短期借入金
役員従業員短期借入金
他会計短期借入金
・・・

 
xxx
xxx
xxx
xxx
xxx
xxx
・・・
 
流動負債合計   xxx






科目金額
(純資産の部)
1.純資産額
・・・

 
・・・
 
純資産合計   xxx






負債及び純資産合計   xxx

(株式会社ムトウ コンサルティング事業部 税理士 宮下)
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