◆ ◇ ◆ ポイント ◆ ◇ ◆
- 修繕費とは、固定資産の原状回復・維持するための費用をいいますが、他方、固定資産の価値を高めたり使用期間を延長するための支出を資本的支出といいます。
- 実務上、建物や医療機器に支出した金額がどちらに該当するかの区分が難しいところから、税務上は資本的支出となるものと修繕費となるものをあげ、どちらか明らかでないものについて、形式基準によって判定することができるよう取り扱われています。
|
1.資本的支出、修繕費の実質基準
- 資本的支出とされるもの
業務用固定資産の修理、改良等のために支出した金額のうち、その固定資産の価値を高め、又はその耐久性を増すと認められる部分に対応する金額が資本的支出とされ、例えば、次に掲げるような金額は原則として資本的支出として取り扱われています。
- 建物の避難階段の取付け等、物理的に付加した部分に係る金額
- 用途変更のための模様替え等、改造又は改装に直接要した金額
- 機械の部品等を特に品質又は性能の高いものに取り替えた場合のその取替えに要した金額のうち、通常の取替えの場合にその取替えに要すると認められる金額を超える部分の金額
※ 建物の増築、構築物の拡張、延長等は建物等の取得になります。
- 修繕費とされるもの
一の計画に基づき同一の固定資産について行う修理、改良等が次のいずれかに該当する場合には、その修理、改良等のために要した費用の額については、資本的支出に該当するものであっても、修繕費とすることができるものとされています。
- その一つの修理、改良等のために要した金額が20万円に満たない場合
- その修理、改良等がおおむね3年以内の期間を周期として行われることが既往の実績その他の事情からみて明らかである場合
2.形式基準による修繕費と資本的支出の区分等
一つの修理、改良等のために要した金額のうちに資本的支出であるか修繕費であるかが明らかでない金額がある場合、その金額が次のいずれかに該当するときは、修繕費として損金経理することができるものとされています。
- その金額が60万円に満たない場合
- その金額がその修理、改良等に係る固定資産の前年12月31日における取得価額のおおむね10%相当額以下である場合
(前年12月31日の取得価額とは、その固定資産の未償却残高をいうのではなく、原始取得価額にこれまでに支出された資本的支出を加算し、一部について除却があったときは、その除却価額に対応する取得価額を控除した金額をいいます。)
また、資本的支出であるか修繕費であるかが明らかでない金額がある場合の特例として、継続してその金額の30%相当額とその固定資産の前年12月31日における取得価額の10%相当額のいずれか少ない金額を修繕費の額とし、残額を資本的としているときは、その処理が認められます。
なお、修繕費と資本的支出の区分に当たっては、明らかに資本的支出に該当するものを除き、次により判定すると便利です。
|
| |
|
|
| |
↓ |
|
| |
|
YES → |
| |
NO ↓ |
|
| |
|
YES → |
| |
NO ↓ |
|
| ← YES |
|
|
| |
NO ↓ |
|
| |
|
YES → |
| |
NO ↓ |
|
| |
|
YES → |
| |
NO ↓ |
|
← YES (a) |
割合区分による方法を採用しているか
【支出金額の30%】と【取得価額の10%】の少ない方=(a) 【修理改良等のための支出金額】−(a)=(b)
|
|
YES → (b) |
| |
NO ↓ |
|
| ← YES |
|
NO → |
|
|
|
お問い合わせの400万円の支出についてみてみますと、その改修が前出の項目1の資本的支出のいずれにも該当しないとすれば、前出の項目2により、その支出した金額が改修の対象となった建物の前年末の取得価額5,000万円の10%以下ですから、その全額を修繕費として必要経費に算入することができます。
仮に、支出した金額が700万円であった場合は、前年末の取得価額5,000万円の10%を超えますので、全額を修繕費とすることはできませんが、区分の不明な金額の30%相当額とその固定資産の前期末取得価額の10%相当額とのいずれか少ない金額を修繕費とし、残額を資本的支出として処理しているときは、30%相当額210万円を修繕費とすることが税法上認められます。
(株式会社ムトウ コンサルティング事業部 税理士 宮下)
|